六口島

六口島
六口島(国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成)
六口島の位置(岡山県内)
六口島
六口島
地理
場所 瀬戸内海水島灘
座標 北緯34度25分24秒 東経133度46分02秒 / 北緯34.42333度 東経133.76722度 / 34.42333; 133.76722座標: 北緯34度25分24秒 東経133度46分02秒 / 北緯34.42333度 東経133.76722度 / 34.42333; 133.76722
諸島 水島諸島
面積 1.09 km2 (0.42 sq mi)[1][2]
海岸線 5.9 km (3.67 mi)[1][2]
最高標高 140 m (460 ft)[1][2]
行政
都道府県 岡山県の旗 岡山県
市町村 倉敷市旗 倉敷市
大字 下津井
人口統計
人口 8(2015年4月1日年時点)[3]
人口密度 7.34 /km2 (19.01 /sq mi)
言語 日本語
追加情報
時間帯
テンプレートを表示

六口島(むぐちじま)は岡山県倉敷市下津井にある島。

概要

下津井港の南西沖約2kmの海上にある有人島[1][2]。高梁川河口の東南に方向にあたり、北側には濃地諸島、北西には網代諸島・水島群島、西方向には笠岡諸島、そして南側には塩飽諸島が隣接するようにある。島の周囲は約5.9km、海抜は約140mで面積は1.09km2である[1][2]。地形は急峻で、山林の多くは国有林である[1]。松が生い茂っているのが特徴的である。2015年4月時点の人口は8名[3]。島名は、島に6つの谷があることにちなむ[1]。この谷は、東側が一番谷であり、西に向かって番号が増え六番谷迄名前がついている[2]

島内からサヌカイトを用いた石器縄文土器が出土しており、古くから人が居住していたことが分かっている[2]江戸時代初期には花崗岩採石場が設置されており、関ヶ原の戦い後に行われた大坂城の修築の際には、本島の花崗岩も用いられた[2]

1646年(正保3年)に、岡山藩領となった[2]。その後、同藩の馬飼い場となり、その在番者の3戸があるのみであった。その後、明治までに2戸に減少したが、その後は5戸まで増加した。1905年(明治38年)に、筆海小学校[注釈 1]の六口島分教場が設置されたが、僅か13年後の1918年(大正7年)には休校となった[4]

戦後に入植者が増加し、耕地が開発された。最盛期の1960年(昭和35年)の人口は46人を数えたが、時代が下るにつれて人口は逓減している[2]1954年(昭和29年)に児島市立下津井小学校[注釈 2]の六口島分校が設置された[2]。加えて、1957年(昭和32年)に児島市立下津井中学校[注釈 3]の六口島分校が設置された[5]。これらの小中学校の分校も昭和40年代に相次いで休校となり、復活することなく廃校となった[注釈 4][注釈 5][4][5]。島では、観光ホテルやキャンプ場・海水浴場などが建設され、観光が主要産業となった。人口は一桁となってしまったものの、2016年(平成28年)の来島者は年間約2,000人を記録している[2]。なお、水道は井戸水を使用している[2]

西岸に「象岩」と呼ばれる象の形をした奇岩があり、国の天然記念物に指定されている[1]1933年(昭和8年)には、歌人として著名な与謝野鉄幹与謝野晶子夫妻が来島しており、それぞれが短歌を詠んでいる[2]

交通

島への定期船はないため、下津井港などからチャーター便を利用する必要がある[2]。なお、夏季海水浴シーズンには下津井港から船便が運航される[6]

注釈

  1. ^ 1908年(明治41年)に下津井町立下津井尋常小学校に改組された。現在の倉敷市立下津井西小学校にあたる[4]
  2. ^ 1958年(昭和33年)に、下津井小学校は廃止され児島市立下津井西小学校と児島市立下津井東小学校に分割され、下津井西小学校の分校となった[4]。その後、1967年(昭和42年)に市町村合併により、本校が倉敷市立下津井西小学校となった[4]
  3. ^ 1967年(昭和42年)に市町村合併により、本校が倉敷市立下津井中学校となった[5]
  4. ^ 倉敷市立下津井西小学校六口島分校が1979年(昭和54年)に[4]、倉敷市立下津井中学校六口島分校が1989年(平成元年)に正式に廃校となった[5]
  5. ^ なお、同じ水島諸島釜島に設置されていた同小学校と同中学校の分校が同時に閉校となっている[4][5]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h “岡山県の離島 - 六口島 -”. 岡山県. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 公益財団法人日本離島センター『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス)』公益財団法人日本離島センター、2019年、375-376頁。ISBN 9784931230385。 
  3. ^ a b “六口島 (倉敷市・児島諸島地域)”. 岡山県ホームページ(中山間・地域振興課). 2016年5月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 倉敷市立下津井西小学校; 倉敷市教育委員会. “令和元年度学校沿革史” (PDF) (日本語). 倉敷市立下津井西小学校公式ウェブサイト. 2021年10月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e 倉敷市立下津井中学校; 倉敷市教育委員会. “平成30年度学校沿革史” (PDF) (日本語). 倉敷市立下津井中学校公式ウェブサイト. 2021年10月23日閲覧。
  6. ^ 離島振興(児島諸島) 倉敷市企画経営室 2015年3月7日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 六口島/岡山の情報|ritokei(離島経済新聞)
日本の有人指定離島
 
有人指定離島
北海道
宮城県
山形県
  • 飛島
東京都
伊豆諸島
小笠原諸島
新潟県
石川県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
  • 沖島
兵庫県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
吐噶喇列島
奄美群島
沖縄県
宮古列島
八重山列島
 
指定外の有人島
未架橋の
主な有人島
宮城県
  • 金華山
千葉県
三重県
和歌山県
  • 中ノ島
岡山県
  • 黒島
  • 黄島
広島県
高知県
  • 戸島
福岡県
長崎県
大分県
  • 黒島
沖縄県
  • 前島
架橋により
本土・沖縄本島
と陸続となった
有人島
宮城県
神奈川県
石川県
静岡県
  • 弁天島
三重県
兵庫県
和歌山県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
鹿児島県
沖縄県

非実効支配下の島は除く。印は民間人の定住者が居ない島嶼。太字特定有人国境離島地域に指定されている島嶼。
印は架橋などにより本土・沖縄本島と陸続となったが、引続き離島振興法などに指定されている島嶼。
印は本土・沖縄本島と橋で繋がらない有人島と架橋されている島嶼。印は一般利用可能な定期航路・航空路等を有しない未架橋の島嶼。
印は過去に離島振興法などに指定されていた島嶼あるいは法令上で無人指定離島として扱われる島嶼。
関連項目:日本の島の一覧 - 日本の離島架橋 - 離島振興法 - 小笠原諸島振興開発特別措置法 - 奄美群島振興開発特別措置法 - 沖縄振興特別措置法 - 離島航路整備法 - 有人国境離島特別措置法 - しま山100選

  • 表示
  • 編集