1995年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月3日に開幕した。アメリカンリーグの第26回リーグチャンピオンシップシリーズ(26th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10日から17日にかけて計6試合が開催された。その結果、クリーブランド・インディアンス(中地区)がシアトル・マリナーズ(西地区)を4勝2敗で下し、41年ぶり4回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
前年のポストシーズンが選手会のストライキによって中止されたため、シリーズの開催自体が2年ぶりだった。また、アメリカンリーグが東・西2地区制から東・中・西3地区制になり、ワイルドカードおよび地区シリーズが導入されて以来初のリーグ優勝決定戦でもある。
両球団のポストシーズン出場は、インディアンスが1954年以来であり、マリナーズは球団創設19年目で初めてと、ともに長らく遠ざかっていた。ファイブサーティエイトのネイト・シルバーは2014年10月、リーグ優勝決定戦の出場両球団が前年までどれほど弱小だったかを表す式を考案した。その結果、同年の両リーグ優勝決定戦までの全90シリーズ中で今シリーズは3位となった[注 1][1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は9試合対戦し、インディアンスが5勝4敗と勝ち越していた[2]。シリーズMVPには、第2戦と第5戦の2度の先発登板で計14.0イニングを投げ、いずれの試合でも勝利投手となり防御率1.29を記録したインディアンスのオーレル・ハーシュハイザーが選出された。ハーシュハイザーは1988年ナショナルリーグ優勝決定戦でもシリーズMVPを受賞しており、両リーグで同賞を受賞した史上初の選手となった[3]。しかしインディアンスは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者アトランタ・ブレーブスに2勝4敗で敗れ、47年ぶり3度目の優勝を逃した。
試合結果
1995年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月10日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月10日(火) | 第1戦 | クリーブランド・インディアンス | 2-3 | シアトル・マリナーズ | キングドーム | |
10月11日(水) | 第2戦 | クリーブランド・インディアンス | 5-2 | シアトル・マリナーズ |
10月12日(木) | | 移動日 | |
10月13日(金) | 第3戦 | シアトル・マリナーズ | 5-2 | クリーブランド・インディアンス | ジェイコブス・フィールド |
10月14日(土) | 第4戦 | シアトル・マリナーズ | 0-7 | クリーブランド・インディアンス |
10月15日(日) | 第5戦 | シアトル・マリナーズ | 2-3 | クリーブランド・インディアンス |
10月16日(月) | | 移動日 | |
10月17日(火) | 第6戦 | クリーブランド・インディアンス | 4-0 | シアトル・マリナーズ | キングドーム |
優勝:クリーブランド・インディアンス(4勝2敗 / 41年ぶり4度目) |
第1戦 10月10日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
マリナーズ先発投手ボブ・ウォルコットが、3回表一死満塁ではポール・ソレントを遊ゴロ併殺に、7回表二死無走者ではジム・トーミを二ゴロに打ち取りイニングを終わらせる(32秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
クリーブランド・インディアンス | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 10 | 1 |
シアトル・マリナーズ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 3 | 7 | 0 |
- 勝:ボブ・ウォルコット(1勝) 敗:デニス・マルティネス(1敗) S:ノーム・チャールトン(1S)
- 本塁打
CLE:アルバート・ベル1号ソロ
SEA:マイク・ブロワーズ1号2ラン - 審判
[球審]デーブ・フィリップス
[塁審]一塁: デリル・カズンズ、二塁: リック・リード、三塁: デイル・フォード
[外審]左翼: ティム・マクレランド、右翼: ドリュー・コーブル - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時8分 試合時間: 3時間7分 観客: 5万7065人 気温: 68°F(20°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月11日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
インディアンスのマニー・ラミレスが6回表に2点本塁打、8回表にソロ本塁打を放つ(1分3秒) |
6回裏、ケン・グリフィー・ジュニアのソロ本塁打でマリナーズが3点差に迫る(1分) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
クリーブランド・インディアンス | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 5 | 12 | 0 |
シアトル・マリナーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 | 1 |
- 勝:オーレル・ハーシュハイザー(1勝) 敗:ティム・ベルチャー(1敗)
- 本塁打
CLE:マニー・ラミレス1号ソロ・2号ソロ
SEA:ケン・グリフィー・ジュニア1号ソロ、ジェイ・ビューナー1号ソロ - 審判
[球審]デリル・カズンズ
[塁審]一塁: リック・リード、二塁: デイル・フォード、三塁: ティム・マクレランド
[外審]左翼: ドリュー・コーブル、右翼: デーブ・フィリップス - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時8分 試合時間: 3時間14分 観客: 5万8144人 気温: 68°F(20°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月13日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
マリナーズのジェイ・ビューナーが2回表に先制ソロ本塁打、延長11回表に勝ち越し3点本塁打を放つ(1分44秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | H | E |
シアトル・マリナーズ | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 9 | 1 |
クリーブランド・インディアンス | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 2 |
- 勝:ノーム・チャールトン(1勝1S) 敗:フリアン・タバレス(1敗)
- 本塁打
SEA:ジェイ・ビューナー2号ソロ・3号3ラン
- 審判
[球審]リック・リード
[塁審]一塁: デイル・フォード、二塁: ティム・マクレランド、三塁: ドリュー・コーブル
[外審]左翼: デーブ・フィリップス、右翼: デリル・カズンズ - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時8分 試合時間: 3時間18分 観客: 4万3643人 気温: 73°F(22.8°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第4戦 10月14日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
3回裏、ジム・トーミの2点本塁打でインディアンスが6点差に突き放す(54秒) |
5回裏、インディアンス先頭打者カルロス・バイエガが左前打で出塁。このとき球団マスコットのスライダーが外野席からウォーニングゾーンに転落し負傷する(2分9秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
シアトル・マリナーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 |
クリーブランド・インディアンス | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | X | 7 | 9 | 0 |
- 勝:ケン・ヒル(1勝) 敗:アンディ・ベネス(1敗)
- 本塁打
CLE:エディ・マレー1号2ラン、ジム・トーミ1号2ラン - 審判
[球審]デイル・フォード
[塁審]一塁: ティム・マクレランド、二塁: ドリュー・コーブル、三塁: デーブ・フィリップス
[外審]左翼: デリル・カズンズ、右翼: リック・リード - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後7時8分 試合時間: 3時間30分 観客: 4万3686人 気温: 53°F(11.7°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第5戦 10月15日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
6回裏、ジム・トーミの2点本塁打でインディアンスが逆転(1分22秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
シアトル・マリナーズ | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 |
クリーブランド・インディアンス | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | X | 3 | 10 | 4 |
- 勝:オーレル・ハーシュハイザー(2勝) 敗:クリス・ボシオ(1敗) S:ホセ・メサ(1S)
- 本塁打
CLE:ジム・トーミ2号2ラン - 審判
[球審]ティム・マクレランド
[塁審]一塁: ドリュー・コーブル、二塁: デリル・カズンズ、三塁: デーブ・フィリップス
[外審]左翼: リック・リード、右翼: なし - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後7時24分 試合時間: 3時間37分 観客: 4万3607人 気温: 55°F(12.8°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第6戦 10月17日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
8回表無死二・三塁でマリナーズ捕手ダン・ウィルソンが捕逸、三塁走者ルーベン・アマロ・ジュニアだけでなく二塁走者ケニー・ロフトンまで生還(53秒) |
2打者後、カルロス・バイエガのソロ本塁打でインディアンスが4点目を奪う(1分57秒) |
9回裏、ホセ・メサがジェイ・ビューナーを三ゴロに打ち取り試合終了、インディアンスのリーグ優勝が決定(45秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
クリーブランド・インディアンス | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 8 | 0 |
シアトル・マリナーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 |
- 勝:デニス・マルティネス(1勝1敗) 敗:ランディ・ジョンソン(1敗)
- 本塁打
CLE:カルロス・バイエガ1号ソロ
- 審判
[球審]ドリュー・コーブル
[塁審]一塁: ケン・カイザー、二塁: デリル・カズンズ、三塁: リック・リード
[外審]左翼: デイル・フォード、右翼: ティム・マクレランド - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時8分 試合時間: 2時間54分 観客: 5万8489人 気温: 68°F(20°C)
詳細: Baseball-Reference.com
脚注
注釈
- ^ シルバーが考案した式は以下の通り。
- 両球団の、リーグ優勝決定戦出場前年まで直近20シーズンのレギュラーシーズン敗戦数を加重平均する。例えば今シリーズの場合、1994年の敗戦数には20、1993年の敗戦数には19、……1975年には1の重みをつける。この値を "WALT" と呼ぶ。
- 両球団のWALTを調和平均する。
この式によれば、前年までの弱小度合いが濃い球団どうしのリーグ優勝決定戦は、上から2014年アメリカンリーグ(89.8ポイント)→1984年ナショナルリーグ(89.4ポイント)→今シリーズ(88.6ポイント)→1969年ナショナルリーグ(87.4ポイント)……の順になるという。
出典
- ^ Nate Silver, "Royals vs. Orioles Tops Our List Of Comeback Clashes In League Championship Series," FiveThirtyEight, October 10, 2014. 2021年5月1日閲覧。
- ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月1日閲覧。
- ^ Craig Muder, "OREL HERSHISER DEBUTS ON TODAY’S GAME ERA HALL OF FAME BALLOT," Baseball Hall of Fame. 2021年5月1日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1995 American League Championship Series - IMDb(英語)
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