モンスターハンタークロス

モンスターハンターシリーズ > モンスターハンタークロス
モンスターハンタークロス
MONSTER HUNTER GENERATIONS
対応機種 ニンテンドー3DS[1]
発売元 カプコン[1]
販売元 欧州連合の旗オーストラリアの旗 任天堂
メディア 3DS専用ゲームカード
ダウンロード[1]
発売日 日本の旗 2015年11月28日[1]
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 2016年7月15日
オーストラリアの旗 2016年7月16日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)[1]
デバイス 拡張スライドパッド対応[注 1]
売上本数 世界の旗 430万本[2]
日本の旗 283万2833本(2018年1月)[3]
その他 ローカルプレイ、すれちがい通信、インターネット通信プレイ対応
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モンスターハンタークロス』(もんすたーはんたーくろす、以下:MHX)は、カプコンから2015年11月28日に発売されたニンテンドー3DS用ソフトであり、モンスターハンターシリーズ10周年の節目に合わせて作られた[4]

2017年3月18日には内容強化版にあたる『モンスターハンター ダブルクロス』が発売された[5]。本項では、『モンスターハンター ダブルクロス』についても解説する。

システム

本作のメインモンスターは「ディノバルド」、「ライゼクス」、「ガムート」、「タマミツネ」の4体。オフラインの拠点は新たに登場した「ベルナ村」に加え、過去作の舞台となった「ココット村」、「ポッケ村」、「ユクモ村」も登場する。また『4』で一部しか登場しなかった『3』『3G』の大型モンスターを含め、過去作品に登場したモンスターも多数復活している。

本作の新要素として、各々のハンターの個性を強くするシステム「狩猟スタイル」と、ハンターが使える大技「狩技」が追加された[6]。使える狩猟スタイルは、バランスがとれた「ギルドスタイル」、狩技を多く使える「ストライカースタイル」、空中から攻撃できる「エリアルスタイル」カウンター主体の「ブシドースタイル」の4種類[6]。使える狩技は「武器固有で使える専用技」と「武器の種類に関係なく使える共通技」の2種類に分類される[6]

また、オトモアイルーを操作できる「ニャンターモード」も登場する[6]。ニャンターはハンターと違い体力がなくなっても、「モウイチドングリ」があればすぐに復活することができる。ニャンター専用のクエストも本作では登場する。

制作(MHX)

本作の開発が始まったのは『MH4』の開発途中であり、同作及び『MH4G』とは別軸で開発が進められていた[6]。本作はニンテンドー3DS用ソフトとして動かす最善の方法を第一に作られたことから、UIのデザインも『MH4G』とは異なる[6]

本作にはお祭り感と、自由に自分らしい狩りを楽しんでもらうというコンセプトが据えられた。クロスという題名はあらゆる要素がクロスしていることにちなんでおり、従来とは異なるネーミングにしたいという思惑もあった。[7][8]

開発に当たってはプレイヤーが遊んでいて自分がかっこいいと思えるようにしたいということが重視され、「狩猟スタイル」の導入もそれに関連しており[9]、ナンバリング作品である『MH4』と差をつけるためという意図もあった[6]うち「ギルドスタイル」は『4』および『4G』のユーザーがスムーズに遊べるために導入された一方、「エリアルスタイル」は『4』および『4G』で導入されたジャンプアクションをより能動的に使ってもらうために生み出された。狩猟スタイルの導入に当たっては、過去作以上にリアルな動きに落とし込むことに細心の注意が払われた。たとえば「エリアルスタイル」の場合、ただのハンターが一気に数メートルの高さを飛び上がるのは不自然であるため、他のハンターやモンスターを踏み台にするという演出が取り入れられている。[6][8]

狩技はゲームのテンポを変えるために導入された要素であり、武器の特長を強化したり、短所を補う仕組みもある[6]

初めて触れる者もいることから、ゲームのストーリーは本作のみでも楽しめるようにしつつも、既存ファンがストーリー上のつながりを想像できる余地を残すため、NPCのセリフなどから過去作品のことをにおわせた[8]

過去作では看板となるメインモンスターは1体のみだったが、本作ではキャラクター付けをしやすくするために四天王にちなんで4体のメインモンスターが用意された[6]。これにより各種作業が4倍になった一方、「四天王」というキーワードによって社内でもイメージしやすくなったほか、ガムートのように好みが分かれるであろうモンスターも登場させやすくなった[6]。メインモンスターのうち、タマミツネは、『MHP3』で作ろうとしていたキツネと大蛇を合わせた飛竜のアイデアを基にしており、和風モチーフの「ユクモ村」に合わせての登場となった[6]。ガムートは、長年モンスター担当のプランナーがゾウをモチーフとしたモンスターを作りたいという願いから生み出された。また、ディノバルドは、ディレクターの一瀬泰範の親類の子どもが恐竜型モンスターを気に入っていたことがきっかけで生み出されており、カルノタウルスをモチーフとしている[6]。プテラノドンをモチーフとしたライゼクスは、恐竜が生きていた時代をモチーフとしたフィールド「古代林」をヒントに誕生した[6]

特殊許可クエストに登場する「二つ名持ちモンスター」はコミュニケーション要素の強化のために導入された[6]。二つ名持ちは一部の種類のモンスターのみに存在しており、亜種や希少種とも異なる位置づけにあり、ネーミングもあらゆる層への訴求を狙っている。たとえばアオアシラの二つ名持ち個体の「紅兜」は、漫画『銀牙 -流れ星 銀-』に登場するクマの個体「赤カブト」に由来していることがほのめかされている[6]

『4』および『4G』に出てくるゴア・マガラも登場するが、物語の中心ではないため、「狂竜ウイルス」および「極限状態」といった不随システムの導入は見送られ、その代わりとして「獰猛化モンスター」というシステムが導入された[6]

モンスターハンターダブルクロス

モンスターハンターダブルクロス
MONSTER HUNTER GENERATIONS ULTIMATE
対応機種 ニンテンドー3DS
Nintendo Switch
発売元 カプコン
メディア 3DSゲームカード
Switchゲームカード
ダウンロード販売
発売日 ニンテンドー3DS
日本の旗 2017年3月18日
Nintendo Switch
日本の旗 2017年8月25日
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗オーストラリアの旗 2018年8月28日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
デバイス ニンテンドー3DS
拡張スライドパッド対応[注 1]
売上本数 [3DSSwitch] 世界の旗 460万本[10]
[3DS]
日本の旗 169万8161本[3]
[Switch]
日本の旗 21万4204本[3]
その他 ローカルプレイ対応
インターネット通信プレイ対応
すれちがい通信(3DS版のみ)
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2017年3月18日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト。本作のメインモンスターは、通常種と比べ異形な角を持つ「鏖魔ディアブロス」、天彗龍と呼ばれる大型の古龍種である「バルファルク」の2体。ラスボスとも言える「アトラル・カ」も新しく追加された。また、鏖魔ディアブロスだけでなく多くの二つ名も追加された完全なるクロスのパワーアップ版。そして新たな狩猟スタイル、攻撃を受け流すことのできる「ブレイヴスタイル」、錬金アイテムを使い狩りを支援する「レンキンスタイル」が追加された。各武器に一つずつ、狩技が追加され、「SP狩技(スタイルパワーアップ狩技)」も登場した。

2017年8月25日には、Nintendo Switch移植版『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』が発売された[11]ほか、3DS版未発売の海外では2018年8月28日に発売された。

制作(MHXX)

『MHX』から引き続き、プロデューサーは小嶋慎太郎が務めた一方、ディレクターには前作でモンスターの制作や開発進行を務めていた市原大輔が、メインプランナーには前作でモンスターとクエストシステムを手掛けていた平岡拓朗がそれぞれ、作品への理解の高さを見込まれて起用された。前作のディレクターである一瀬泰範もバックアップという形で『MHXX』の開発にかかわっている。題名のダブルクロスは前作の「クロス」にさらにクロスするという意味合いでつけられた。[7]

メインモンスターのうち、古龍種「バルファルク」は、英語で豪胆を意味する“valor”と"falcon"(隼)に由来しており、ネーミングにおいては既存モンスターとの重複防止に加え、文化圏の違いが感じられるようにすることも念頭に置かれた。また、シリーズにおいて特殊な存在である古龍種を新たなメインモンスターの一つに据えることは企画初期から提言されていたほか、設定面においてもエネルギー噴射といった通常のモンスターにはないような要素も多数盛り込まれた。もう一体のメインモンスターである「鏖魔ディアブロス」はコアユーザーに対する開発者からの挑戦状というコンセプトで生み出されたモンスターであり、前作で登場した二つ名持ちモンスターをより広げるという意図もあった。また、同個体の登場に合わせ、通常種の「ディアブロス」も登場している。これらのメインモンスターはメインストーリーにもかかわる一方、「鏖魔ディアブロス」は前述のコンセプトの兼ね合いから、“集会酒場”でのクエストをある程度進めないと挑戦できないようになっている。[7]

過去作品を初出とするモンスターのうち、“ベリオロス”と“ボルボロス”は、ハンターのアクションの進化によって過去とはまた異なる狩りを楽しんでもらえるのではないかという開発者の期待から『MH3G』以来の登場となった[7]

新たな狩猟スタイルの採用に当たっては、既存スタイルと競合するような魅力を持ちつつも、それらの性能を上回ることがないよう注意が払われた。うち、攻撃的な“ブレイヴスタイル”はアクションが得意だったり、より鋭いハンティングを期待するプレイヤーに向けて作られた。一方、“レンキンスタイル”は皆で楽しく狩りをしたいというプレイヤーに向けて作られた。[9]

評価(MHXX)

『MHXX』は日本ゲーム大賞2017の優秀賞を受賞した[12]。 また、『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』は年末までに約20.3万本を売り上げ、サードパーティ製Nintendo Switch用ソフトにおいて最も売れた作品となった[13]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b New 3DS・New 3DS LLNew 2DSの場合Cスティック、ZLボタン、ZRボタン対応。

出典

  1. ^ a b c d e “CAPCOM:モンスターハンタークロス 公式サイト:”. カプコン. 2015年12月10日閲覧。
  2. ^ “ミリオンセールスタイトル”. 株式会社カプコン (2019年6月30日). 2019年9月12日閲覧。
  3. ^ a b c 週刊ファミ通』2018年2月8日増刊号、KADOKAWA、2018年、11頁。
  4. ^ "『モンスターハンタークロス』、2015年冬に発売決定! ~ 圧倒的人気を誇る「モンスターハンター」ブランドに新シリーズが登場 ~" (PDF) (Press release). カプコン. 1 June 2015. 2024年6月16日閲覧
  5. ^ “『モンハンXX(ダブルクロス)』が発売された日。前作から“二つ名”モンスターを大幅追加。鏖魔ディアブロスの水蒸気爆発は印象深い【今日は何の日】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com (2024年3月18日). 2024年6月16日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “『モンハンクロス』はナンバリングとは異なるアクションを! メインモンスターやニャンターの開発秘話とは!?”. 電撃オンライン (2015年11月28日). 2024年6月5日閲覧。
  7. ^ a b c d “『モンスターハンターダブルクロス』クリエイターインタビュー完全版――“己の狩り”を突き詰められる新たな『モンハン』!”. ファミ通.com (2016年11月7日). 2024年6月5日閲覧。
  8. ^ a b c “「モンスターハンタークロス」発売直前インタビュー。“MH的アクションの進化”や“獰猛化モンスター”について小嶋慎太郎氏と一瀬泰範氏に聞いた”. 4Gamer.net. Aetas (2015年11月26日). 2024年6月5日閲覧。
  9. ^ a b “『モンスターハンターダブルクロス』クリエイターインタビュー完全版――“己の狩り”を突き詰められる新たな『モンハン』!(2ページ目)”. ファミ通.com (2016年11月7日). 2024年6月5日閲覧。
  10. ^ “ミリオンセールスタイトル”. 株式会社カプコン. 2023年8月4日閲覧。
  11. ^ “【リリース追記】『モンスターハンターダブルクロス』Nintendo Switchで発売決定!”. ファミ通.com. 2017年5月26日閲覧。
  12. ^ “受賞作品|日本ゲーム大賞”. awards.cesa.or.jp. 2024年6月5日閲覧。
  13. ^ ファミ通ゲーム白書2018 2018, p. 63, 第1章 国内ゲーム市場の動向 プラットフォーム別詳細データ Nintendo Switch 2017年ソフトランキング.

参考文献

  • 『ファミ通ゲーム白書2018』株式会社Gzブレイン、2018年6月25日。 

外部リンク

  • モンスターハンタークロス
  • モンスターハンターダブルクロス
  • モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.
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